ラフティング
カヌーとは少し違いますが、大きなゴムボートに5人〜10人が乗りこみ、激流を下ります。最近、いろんな所で取り上げられるようになり、メジャーになりつつありあます。カヤックを愛する私としては、ラフティングは邪道だと毛嫌いしていたのですが、’98年(京都・保津川)、’99年(四国・大歩危)、’01年(四国・小歩危)とラフティングを体験しました。そしてついに’03年は、大歩危・小歩危1日コースを体験しました。
カヤックに比べれば安全で、よほどの激流でない限り、かなりの瀬でも下ることができます。そんなに技術も必要ありません(インストラクターは別!)。川に放り出されることもよくあるそうです。無事に瀬を下った時は、充実感が味わえます。爽快です。いろんな業者がやっていますが、私が参加したのはMOC(モンベル・アウトドア・チャレンジ)とODSS(アウトドアサポートシステム)す。
しかし、近くでカヤックをしている人を見て、ラフティングを体験した人が心の中で思うことは、「カヤックのほうがおもしろそう!」なんです。カヤックは奥が深いので、何度でも挑戦したいと思いますが、ラフティングはそんなにやる必要はないでしょう。お金もかかるし、1年に1回やれば充分です(やりすぎ!?)。
1998年のラフティング
初めてのラフティングは、京都の保津川。亀岡から嵐山までの、トロッコ列車が走っている区間です。ここは観光船下りがあるところで、船でも下れるところですから、そんなにスリルはありません。初めてと言うことで、腕試しと言ったところでしょうか。業者は西宮のPSK(だったと思うのですが)です。途中川で泳いだりしながら、ゴールを目指します。水はきれいとは言えません。景色を楽しみ、トロッコ列車のお客さんに手を振りながら、下っていきました。
終点がJR保津峡駅を少し下ったところになるのですが、そこから亀岡まではトラックの荷台に乗せてもらって戻ったのですが、ルートがすごい山道です。途中、山の中にポツンと集落がありました。嵯峨水尾というところで、清和天皇陵が近くにあるとのことでした。まるで秘境のような集落があることを発見したことの方が、感動が大きかったですね。
1999年のラフティング
京都の保津川で飽き足らない面々は、何としても四国の吉野川に行きたくなりました。徳島県の大歩危・小歩危です。モンベルの半日コースにお世話になりました。コースは、大歩危の上流部、豊永から岩原までの短いコースです。途中大きな瀬が3つあります。実質1時間半くらいでしょうか。泳いだりしながら下りました。水はさすが四国、きれいでした。
今回は、ラフティング半分、観光半分です。祖谷渓温泉に宿泊しました。そこのホテルは谷底に露天風呂があり、ホテルからケーブルカーで温泉に降りるという趣向です。なかなか良かったのですが、同行した女性達にはもう一つだったようです。
2000年のラフティングは・・・
さて’00年の夏にも、大歩危1日コースを計画しましたが、この年は、近年にない水不足。上流の早明浦ダムも干上がるんではないかと心配していた程です。ところが、台風が(6号だったかな?)沖縄で2〜3日停滞してしまったため、すべての予定は崩れてしまいました。台風は遥か九州付近を北上しているのに、台風に伴う雲が四国を直撃し、大雨洪水警報まで出る始末です。私の「雨男」も、ついに極めてしまいました。次の日など、大歩危あたりの国道が通行止めになっていました。よりによって、そんな日に予約をいれなくてもよさそうなものですが、こればかりはどうしようもありません。
ちなみにその年は、龍河洞観光と、藍染め体験と、鳴門大橋の下の歩道「渦の道」に行って帰ってきましたとさ。
2001年のラフティング
昨年は大歩危まで来ていながら中止となったラフティング。今年こそ!というわけで計画したのですが、日程が合わないため、日帰りで実施することになりました。でも日帰りの1日コースは、不可能では無いにしろちょっとハードなので、半日コースに変更です。一昨年は大歩危(こちらの方が難易度が低い)のショートコースを体験しているので、今年は小歩危(こちらの方が難易度が高い)に挑戦です。
私たちが参加した前の週に、台風11号が日本列島の南部をかすめて東に進みました。増水していたらどうしようか、と心配しながら参加したのですが、早明浦ダムはあれくらいの雨では何ともないのか、逆に例年よりも少ないくらいの水量でした。もう少し水量のある方がスリルがあっていいのですが、仕方ありません。
半日コースの申込者がその日は3名だけで、ちょっと寂しいラフティングになりました。インストラクターはオーストラリアから来られているカジーさんでした。英語が半分しか理解できず、会話が成り立たないのですが、なんとかラフティングは無事下ることができました。流れの緩やかなところでは、ボートから降りて泳いで下ったり、8mの岩の上から飛び込んだり。一カ所だけ、ボートに乗らずにライフジャケットだけで瀬を下れるところがありました。見た目は大したこと無い瀬ですが、ライフジャケットだけで下ると、水しぶきをまともに顔に浴びて、いくら水を飲み込んだか分かりません。全員無事、ラフトボートにたどり着きましたが、ちょっと恐ろしい体験でした。
瀬を下っているところの写真撮影サービス(と言っても1枚600円)があったので、申し込みました。このあと、水しぶきをまともにくらうことになります。まだパドルを差し上げて余裕のあるところを見せていますが、見た目よりは大きな瀬です。でも、インストラクターを入れても4人・・・サビシ〜イ。
2003年のラフティング
2002年が日程の都合で未実施だったこともあり、こうなりゃ意地でも吉野川1日コースを、ということで計画しました。メンバーは、皆勤賞が2名に、初心者が2名という構成になりました。初心者の初ラフティングが、日本一激流の小歩危というのは、ある意味危険かも知れません。でもパンフによると、参加対象が中学生以上なので、なんとかなるだろうということに、勝手にしました。日程調整がつかずに、結局日帰りの強行スケジュールです。朝5時に出発、9時現地集合、10時から16時ラフティング、温泉に入って向こうを出発、途中夕食を食べて、帰ってきたのは22時くらいでした。業者はモンベルと行きたいのですが、いろんな事情で前回と同じODSSになりました。後で分かったのですが、リピーター割引なんかもあって、正解でした。
同じラフトに乗ったのは、我々4名と、あとは奈良から来られていたテニススクール関係の2名。午前中のコースは、大きな瀬が2つあります。あとは瀞場ですので、泳いだり、岩から飛び込んだりと、川遊びをしながら下っていきます。ラフティングの本番は午後の小歩危コースですので、腕ならしといったところです。天気は上々。暑いくらいです。日焼け止めがなければちょっときついかもしれません。
昼食はJR小歩危駅の下。パンフにはバーベキューとありましたが、実際のメニューはホットドッグと焼きそば、串のない焼き鳥というもの。懐かしのコッペパンは、朝焼きたてだそうです。ビールが欲しいところですが、午後に備えて、ソフトドリンクで我慢します。トイレはJR小歩危駅のトイレを借りるのですが、河原から駅までの階段がちょっと辛い・・・。
さて午後の部スタートです。2年前の半日コースは、この午後のコースと同じです。午後は大きな瀬が6つあります。瀬は真剣なまなざしで、必至になってパドルを漕ぐのですが、瀞場ではラフト同士水をかけあったり、ラフトから川に落とし合いをしたりしながら下ります。午後がメインなので、半日だけでも十分と言えば十分なのですが、ゆったり川遊びをしながら、昼食も食べて、さあ午後も!というのも悪くありません。午後だけ参加のグループのラフトが一艇、スタート直後に転覆というアクシデントがありました。最初の瀬でいきなり転覆はちょっと辛いかも知れません。水量は普段の1.5倍とか。でもライフジャケットを付けているので、全員もちろん無事。良かった良かった。
今回のリバーガイドは二人で、そのうちの一人、可児(かに)くんは、見習い中です。ガイドを目指しているのに、口べた(?)で、同乗のテニス学校の校長先生に営業の口調を教えてもらいながら、下りました。「かに」という名前が気に入ったメンバーは、パドルを漕ぐときも「いちにぃ、いちにぃ」ではなく「か〜にぃ、か〜にぃ」。瀬を下り終わったらパドルを掲げて「かにかにかに〜っ」と雄叫びを上げます。途中の大きな瀬では、ラフトの後方からかにくんがお客さんの中に飛んできたというハプニングもありましたが、これもご愛敬。はやく立派なリバーガイドになってください。ちなみに「正」リバーガイドは、白いヘルメットのまさしくんでした。
かにくんの終始なごやかな笑顔と会話により、無事1日コースは終了しました。あのカンカン照りがウソのような夕立の中、かんぽの宿の温泉につかり、帰りは徳島市内で徳島ラーメンを食べ、帰ってきました。小歩危一日コースを体験してしまった我々にとって、これ以上のシチュエーションは、海外を除けば増水したときの大歩危コースしか残っていません。こちらは天候との関係がありますので、体験することは難しいでしょう。
ちなみに、実施があと一週間ずれていたら、台風のため、3年前に引き続いて中止になっていたかも知れません。ああ、よかった。